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私リフィアが日頃思うことなどを書いているブログです。

第二水雷戦隊旗艦を務めた重巡洋艦

ガダルカナル島の戦い(第二次ソロモン海戦)の最中(1942年8月下旬)、それまで(外南洋部隊)増援部隊である第二水雷戦隊旗艦を務めていた軽巡洋艦『神通』が中破し戦線離脱、旗艦を駆逐艦『陽炎』に移していた。しかし、外南洋部隊指揮官の判断により、第二水雷戦隊旗艦を、駆逐艦『陽炎』から、支援部隊より配置転換されていた、ある重巡洋艦へ移された。

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青葉型重巡洋艦二番艦『衣笠』である。
尚、同年8月31日、増援部隊を率いていた二水戦司令官の更迭・交代(後任は第三水雷戦隊司令官)により、旗艦の任を解かれ、外南洋部隊支援部隊へ復帰している(後任の二水戦旗艦は軽巡洋艦『五十鈴』)。

艦歴
1924(大正13年)年1月23日:起工(川崎重工業神戸造船所)
1926(昭和元)年10月24日:進水(川崎重工業神戸造船所)
1927(昭和2)年9月30日:竣工。佐世保鎮守府に所属。
1927(昭和2)年10月30日:横浜沖大演習観艦式(御召艦:比叡)に参加
1927(昭和2)年12月1日:第五戦隊に配属、同日付で戦隊旗艦に就役(所属は本艦及び、青葉、加古、古鷹)
1928(昭和3)年12月4日:御礼大特別観艦式(御召艦:榛名)に参加
1930(昭和5)年12月1日:予備艦となる
1932(昭和7)年12月1日:第五戦隊に編入
1933(昭和8)年5月20日:第六戦隊に編入(所属は他に、青葉、加古)
1935(昭和10)年11月15日:第七戦隊に編入(所属は他に、青葉、古鷹)
1936(昭和11)年10月29日:神戸沖の観艦式(御召艦:比叡)に参加
1936(昭和11)年12月1日:予備艦となる
1937(昭和12)年9月~1940年10月:近代化改修実施
1941(昭和16)年3月1日:第一艦隊第六戦隊に編入(所属は他に、古鷹、加古、青葉)
1942(昭和17)年5月上旬:珊瑚海海戦に参加
1942(昭和17)年8月8日~9日:第1次ソロモン海戦に参加。
1942(昭和17)年8月10日:第一次ソロモン海戦後にガビエンヘ向かう最中、米国潜水艦S-44の雷撃により、準姉妹艦『加古』戦没。
1942(昭和17)年8月28日~31日:第二水雷戦隊臨時旗艦に就役
1942(昭和17)年10月11日:サボ島沖海戦により姉妹艦『青葉』大破。準姉妹艦『古鷹』、駆逐艦『吹雪』戦没。
1942(昭和17)年11月1日~4日:外南洋部隊旗艦に就役。
1942(昭和17)年11月10日:第六戦隊解隊(衣笠は第八艦隊直属、修理を要する青葉は呉鎮守府部隊に編入)
1942(昭和17)年11月14日:第三次ソロモン海戦の最中、敵軍航空機の攻撃により戦没。
1942(昭和17)年12月15日:除籍

 1922(大正11年)年8月11日の段階で、一等巡洋艦(重巡洋艦)の艦名として決まっていた『衣笠』の名称。しかし、二等巡洋艦(川内型軽巡洋艦四番艦)として建造が進められていた『加古』の建造が中止。この名称を一等巡洋艦の艦名に流用することが決まり、代わりに宙に浮いた『衣笠』の名称。
 1923年(大正12年)9月18日、4隻目の一等巡洋艦の艦名として『青葉』の名称が決まると、同日付で『衣笠』の名を持つ一等重巡洋艦が川崎重工業神戸造船所にて建造されることがようやく決まり、翌年1月23日に起工する。まだ艦名だけ決まっていた段階でひと悶着あったという、不遇な名称である…。
 起工は衣笠の方が早く(青葉は2月4日起工)、進水から竣工までは青葉の方が早かった…。もし、進水~竣工までも衣笠の方が早かったなら、衣笠型重巡洋艦となり、ネームシップになっていたのだろうか…。

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パッケージの通り、製造年が古いキットである。ハセガワ(ウォーターラインシリーズ)『日本重巡洋艦衣笠』1/700

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主砲塔(20.3㎝ 6門)3基を組み立て。
古いキットはプラスチックより加工した際に残る『バリ』と余計なものを削るところから始めなければならず、ひと手間ある。

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高角砲(12mm×4)及び主砲。

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後部機銃台。
先に機銃などの細かい部品を取り付けてから、煙突を取り付ける。

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艦橋部分
細かい部品が仰山ある軍艦模型ならではかもしれないが、多少の部品取り付け位置のずれで取り付けられなかったりすることもある。本当にコンマ1mmなどが出来を左右する、シビアなものである…。

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後部マスト及び煙突。特にマストは華奢で接着までが一苦労。一発勝負で取り付けることとなる。

ここまで来たら、後は細かいパーツを気にしつつ、艦体に各種部品を取り付けていく作業へと移行する。

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艦底と錘を接着。取扱説明書では最後に指示される作業だが、取り付ける部品などを考慮したら、外れている状態でなければ作業できない部分を先に作り、この作業を細かい部品を取り付ける前にやってしまう方が後々ト困らない…とは思っているが、どうだろう。

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艦体を接着。前部に艦橋などの主要部品を取り付けた後。
ここから細かい部品に苦戦することになるのだが…。

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かろうじて、衣笠は完成する。戦前の軍艦相応の、厳格な艦体として。

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『名称』だけは、他の姉妹艦・同じ戦隊を組んだ僚艦である古鷹型重巡洋艦の2隻(古鷹・加古)及び姉妹艦である青葉より生まれたのは早かったものの(名称だけ見れば、名前が生まれたのは青葉が一番後)、正式に軍艦として建造が決まるまでが遅く、そして長崎で建造された青葉より起工が早かったものの、進水と竣工が遅くなったことにより2番艦となった『衣笠』。
…古鷹型にしても、先に神戸で建造が開始された加古と比べて、長崎で起工~完成した古鷹の方が先に竣工、結果的に『加古型』と計画になっていたものが『古鷹型』と変わっている。名前と計画だけが先に生まれ、艦として生まれたのは遅かった…謎が残るものである。(最も、妙高型重巡洋艦では起工~就役まで早かったはずの羽黒が4番艦、遅かったはずの足柄が3番艦になっているという、摩訶不思議なところがあるのだが…)

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峰ヶ崎へ回航。先に完成していた青葉と並んだ。
(左から見切れ状態の榛名、鬼怒、青葉、衣笠、同じく見切れの伊勢)

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竣工時より、ほぼ同じ戦隊に属していた青葉と衣笠。
最期は準姉妹艦(古鷹・加古)の後を追うように、同じソロモンの海に沈んだ衣笠。
艦船で言えば姉妹艦の並びととらえられるが、模型で見れば昔と現行の違いを知る並びにもなる。

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